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2022.06.03
より早く、より便利に、止まらないドライブスルーの進化
みなさんこんにちは、ビスコサイネージの渡辺です。
ファストフード業界でお馴染みの「ドライブスルー」ですが、最近のドライブスルーは従来のサービスと比べて様変わりしています。
今回の記事では、同業界で欠かせない存在となっているドライブスルーをテーマに新たに取り組まれているサービス事例や構想についてご紹介していきます。
コロナ禍における飲食業界の動向
コロナ禍で、飲食業界が休業要請や時短営業要請などによって多大な影響を受ける中、順調に売り上げを伸ばしているのがファストフード業界です。2021年度の日本マクドナルドの業績を例に見てみると、売上高は前年比10.2%増の3,176億円、営業利益は10.3%増の345億円となっており、2期連続で過去最高を更新する結果となっています。
こうした好調な業績を後押ししているのが、ドライブスルーやデリバリーサービスの存在です。多くのファストフード店が、新型コロナウイルスの感染予防として高まった非接触ニーズや巣ごもり需要を上手く取り込むことができた結果、他の飲食店が苦境に陥るのを横目に順調に売り上げを伸ばすことができたのです。
このように、今やファストフード業界の売上を支える存在となったドライブスルーの重要度は増しています。より多くの人に何度も利用してもらうことが成功の鍵となるので、各社がより早く、よりパーソナルで、より便利なサービスにすることを目指してさまざまな取り組みを行っています。
大手ファストフードチェーンが目指す次世代のドライブスルー
ドライブスルーをより快適で利便性の高いサービスにするために、飲食店各社はオペレーションの見直しを初めとした大改革を行っています。ここでは、ファストフード各社が取り組んでいるドライブスルーの事例や構想についてご紹介していきます。
事例1:Tim Hortons
カナダ発祥のドーナッツチェーンであるティムホートンズは、ドライブスルーレーンでより早く商品の受け渡しを行うために、オンタリオ州にある店舗でベルトコンベアを使った商品の受け渡しをテストしています。We’re testing something new at a handful of Tims restaurants! These automated drive-thru pickup points use a conveyor system for both on-site and mobile orders. pic.twitter.com/0VlJaJC3dG
— Tim Hortons (@TimHortons) March 28, 2022
ティムホートンズの公式Twitterアカウントには、注文された商品がベルトコンベアを使ってお客さんに届けられる様子が紹介されています。
事例2:マクドナルド
マクドナルドでは、ドライブスルーにモバイルオーダーとベルトコンベアを取り入れた「サードレーン」のテストを開始することが発表されています。ドライブスルーにおいてオーダー待ちの行列を緩和させる効果があるモバイルオーダーは多くの企業で導入が進んでいますが、マクドナルドではさらに商品の受け渡しにベルトコンベアを活用して、サービス提供のスピードアップを狙っています。
出典:BUSINESS INSIDER
この他に、モバイルオーダーで事前に商品を注文したお客さんが利用できるエクスプレスピックアップレーンも設けられています。
このレーンでは、無線と位置情報を利用してモバイルオーダーしたお客さんの車が店舗に到着したことを把握し、クルーに料理の準備が促されます。位置情報を活用することで、お客さんの到着タイミングに合わせてスピーディーに商品の受け渡しを行うことが可能となるそうです。
出典:BUSINESS INSIDER
また、マクドナルドではテイクアウトとデリバリーに特化した店舗として、ドライブスルーレーンとピックアップ専用の駐車場だけを設け、店内にはほとんど客席を設置しないお店の出店も検討されています。
事例3:バーガーキング
バーガーキングは、ドライブスルーとテイクアウトの設備を充実させた新しい店舗デザインを発表しています。フードロッカーやベルトコンベアといった新たな受け取り方法のオプションを提供し、人と人との接触を最小限に抑えることに重点を置いた店舗になっています。
この新しい店舗デザインの大きな特徴のひとつが、車の通行スペースを増やすためにキッチンが2階に設けられているという点です。ドライブスルーで注文された商品はキッチンからドライブスルーレーンにつなげられたベルトコンベアで運ばれるため、店員との接触を避けて商品を届けることが可能です。
また、ドライブスルー需要が増えたことを受け、レーンをダブル、トリプルといったように複数設けサービス提供のキャパシティーを増やしています。
2つ目の特徴が、専用の駐車スペースでモバイルオーダーを行うドライブインです。
このサービスは、所定の駐車スペースに車を停車させ、設置されているQRコードをスキャンしてアプリから注文を行うことで車まで商品を届けてもらえます。
ユーザーは車に乗ったままサービスが利用できる上に、ドライブスルーのように慌ただしく注文する必要がないので、自分のペースで落ち着いてサービスを利用することが可能です。
出典:BUSINESS INSIDER
3つ目の特徴がフードロッカーです。
テイクアウトで事前に商品を注文しておいても、商品の受け渡し時に店員とお客さんの接触を避けられないケースが多いですが、バーガーキングではテイクアウト商品の受け渡しにフードロッカーを導入しています。
アプリを使って事前に商品を注文すると、キッチンで作られた料理がベルトコンベアを通じてロッカーまで運び込まれます。お客さんはロッカーから商品を受け取るので、オーダーから商品の受け取りまですべてのサービスを非接触で完結させることが可能です。
今回ご紹介したバーガーキングの未来型店舗は、ドライブスルーとテイクアウトにフォーカスしたお店のためイートインの客席を減らし、店内のスペースは従来の店舗より60%縮小されるそうです。
ドライブスルーやドライブイン、ピックアップロッカーなど、幅広い方法でサービスを利用することができるので、多様化しているライフスタイルに合わせてより多くの人が利用しやすいよう工夫されています。
まとめ
以上、今回は大手飲食店を中心とした次世代型ドライブスルーの事例をご紹介しました。コロナウイルスの流行などによって私たちのライフスタイルは変化しており、利用者が増えているドライブスルーでは、各社がデジタル技術を活用してスピーディーで利便性の高いサービスを提供するために奮闘しています。
今はまだ目新しいこうしたサービスが当たり前になる日が来るのでしょうか。
今後、ファストフード業界がどのようにドライブスルーサービスを進化させていくのか注目が集まります。
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