2024.07.26
屋外デジタルサイネージの防水防塵性能とIP規格について解説
みなさんこんにちは、ビスコサイネージの渡辺です。
屋外デジタルサイネージは、天候や外部環境の影響を受けやすい場所での利用を前提に設計されており、屋内用のデジタルサイネージにはない性能や機能が備えられています。
今回は、屋外デジタルサイネージの特徴やIP規格の詳細、実際の運用における注意点についてご紹介していきます。
屋外デジタルサイネージってなに?
屋外デジタルサイネージは、屋外で安心して利用できるように通常の屋内用デジタルサイネージにはないさまざまな機能をもったデジタルサイネージです。
路面店の店頭やビル壁面の大型ビジョン、公共施設の案内板など、屋外の幅広い場所で活用されています。
屋内用デジタルサイネージとの3つの違い
デジタルサイネージには、屋内用のものと屋外用の機器があります。
ここでは、屋内用デジタルサイネージにはない屋外用デジタルサイネージの特徴をご紹介していきます。
防水防塵性能
1つ目の違いとしてあげられるのは、防水防塵性能です。
屋外でデジタルサイネージを利用する場合は、環境や天候の影響を受けやすいです。雨や風にさらされたり、人や物がぶつかってくる可能性もあります。
屋外環境で想定されるこうしたさまざまな外部要因から機械を保護するために、屋外デジタルサイネージには防水防塵性能が備わっています。
この防水防塵性能のレベルは、IPコードという国際基準で標準化されています。
ディスプレイの明るさ(輝度)
2つ目の違いとしてあげられるのは、ディスプレイの明るさです。
屋外でデジタルサイネージを利用する場合は、デジタルサイネージが直射日光にさらされる環境下での稼働が想定されます。
ディスプレイに十分な明るさがないと、日差しの反射に負けてディスプレイに表示されているコンテンツがしっかり見えません。そのため、屋外用デジタルサイネージは屋内用のものよりも明るいディスプレイが搭載されています。
熱対策
3つ目の違いとしてあげられるのは、熱対策です。
上段でもお伝えしましたが、屋外用デジタルサイネージは通常よりも明るいディスプレイを搭載しているので、その分熱を持ちやすいという性質があります。
また、屋外環境は1年を通して気温の変化が大きいうえに、直射日光にさらされることもあり機器自体が熱を持ちやすいので、適切に機器の温度管理が行われなければ故障の原因となってしまいます。
そのため、屋外用デジタルサイネージは排気、冷却ファンやヒーターといった機能が施されており、機器の温度管理が行われるようになっています。
防水防塵レベルを表す「IPコード」
電気機器に対して、人の接触や粉塵などの侵入がどれくらい保護されるかを表す国際規格が定められていて、それを「IPコード(International Protection)」と言います。
IPコードは「IP56」といったように2桁の数字で構成され、それぞれ下記からの保護レベルを表しています。
最初の数字=粉塵(固体物質)からの保護レベル(0~6級)
2番目の数字=水分からの保護レベル(0~8級)
屋外環境といっても場所によって条件は異なりますので、デジタルサイネージを設置する環境条件に合った保護レベルのものを選択することが大切です。
雨風に直接さらされる環境であれば、IP55以上のものにするようにしましょう。
屋外用デジタルサイネージの注意点
IPコードを持つ機器はその等級に応じて、どれくらいの防水・防塵に対応しているかが分かりますが、IP規格も特定の環境下での保護レベルとなっており、等級が高い機器でも完全な防水を意味するわけではありません。実際の使用環境や使用方法によっては、損傷する可能性があるので注意が必要です。
例えば、防水性能を持っているデジタルサイネージでも、海水やプールの水に対する保護は保証されていないケースが多いです。これは、塩水やプールの水には食塩や塩素といった化学物質が含まれているため、通常の真水と比べて腐食性が高く、機器の劣化やダメージに影響を及ぼす可能性があるためです。
そのため、屋外でデジタルサイネージを安定的に稼働させるためには、製品の仕様をしっかりと確認し適切な条件下で利用することが重要です。
屋外用デジタルサイネージの導入前に検討した方がいいこと
ここでは、デジタルサイネージを導入するにあたって検討した方がいいことをご紹介していきます。
デジタルサイネージの機器
デジタルサイネージを設置する環境や運用方法に応じて、ディスプレイのサイズや設置する向き(縦・横)、台数などを検討します。
設置場所の条件や想定する運用方法などを明確にすることで、最適な機器を選択することができます。
コンテンツの種類
デジタルサイネージには、静止画、動画、音声といった幅広いコンテンツを配信することができます。
デジタルサイネージに配信するコンテンツは、ターゲットや機器を設置するロケーション、目的に合わせた内容にすることで、効果的に情報を訴求することが可能です。
コンテンツの配信方法
デジタルサイネージのコンテンツ配信には、USBを機器に挿し込んでコンテンツを配信するスタンドアロン型とネットに繋いでネット経由でコンテンツ配信をするネットワーク型があります。
配信したいコンテンツの種類やコンテンツの変更頻度、想定している運用方法に応じて検討するようにしましょう。
ネットワーク型を使ってコンテンツを配信する場合には、コンテンツの配信管理を行うCMS(コンテンツマネージメントシステム)が必要です。
▼スタンドアロン型はこんな方にぴったり!
・コンテンツの更新頻度が少ない
・1~2台の少ない機器の稼働
・予算を抑えたい
▼ネットワーク型はこんな方にぴったり!
・コンテンツの更新頻度が高い
・複数の機器を稼働させる
・複数の機器を連結させたコンテンツを配信したい
・遠隔から操作ができるようにしたい
まとめ
以上、今回は屋外デジタルサイネージの特徴や防水防塵性能の指標となるIP規格などについてご紹介しました。
屋外用デジタルサイネージと屋内用デジタルサイネージの機能面での違いについてご理解いただけたのではないでしょうか。
屋外といっても設置する場所によって求められる条件は異なるので、設置環境に合った機器を選択して安全かつ効果的なデジタルサイネージの活用を目指しましょう。
弊社でも屋外用デジタルサイネージのお取り扱いがございますので、導入をご検討中の方はお気軽にお問い合わせください!
お問い合わせは
こちらからお願いいたします!