2023.06.23
これからの情報発信は「パーソナライズ」が重要に? AIカメラで実現
みなさんこんにちは、ビスコサイネージの渡辺です。
小売店の店頭ではデジタルサイネージを活用して商品のプロモーションが行われています。動画配信が可能で視認性も高いデジタルサイネージは、販促効果を高める情報発信媒体として活躍していますが、最近ではさらに効果を発揮するために見ている人によって表示するコンテンツを変える「パーソナライズ化」が注目されています。
今回の記事では、パーソナライズした情報発信の重要性とパーソナライズした情報発信を行う方法についてご紹介していきます。
パーソナライズした情報発信の重要性
従来の広告や情報発信は、誰が見ているかに関わらず不特定多数の人に向けて同じ内容を訴求するというやり方が一般的でした。この方法は企業側が伝えたいことを一方的に発信するため、その情報を受け手が必要としているとは限りませんし、そもそも興味を持ってもらえない可能性も高いです。さらに近年、インターネットやスマートフォンが普及したことにより、世の中には様々な情報が溢れ、ユーザーは必要な情報を自分で入手しに行く時代になっているため、不特定多数の人に同じ情報を配信する従来のやり方に限界がきています。
そこで注目されているのが「情報発信のパーソナライズ」です。一人ひとりのターゲットに合った情報を伝えることができれば、情報を受け取ってもらいやすく、好意的な反応を得ることもできます。広告であれば商品やサービスの購入検討や購買意欲を高めることが可能です。
このように、発信する情報をパーソナライズすることで従来の手法よりも効率的にターゲットに伝えることができ、顧客エンゲージメントや売上向上への効果が期待できます。
パーソナライズとは?
パーソナライズという言葉には、「個人的なものにする、個人に応じて作り変える」という意味があります。マーケティングの観点からすると、パーソナライズとは個人の属性や 行動履歴、興味関心に基づいて最適なコンテンツやサービスを提供することを指します。
パーソナライズは、個々のニーズに合わせて最適なコンテンツやサービスを提供することで、顧客との関係構築や顧客体験を向上させることができます。
パーソナライズした情報発信の鍵を握るAI
上段ではパーソナライズした情報発信を行う重要性をお伝えしましたが、実際どのようにターゲットごとに情報をパーソナライズさせるのでしょうか?
その鍵を握っているのがAI技術です。
AIとは?
AIとは、私たち人間が脳内で行っている情報処理を再現したプログラムのことをいいます。
データ処理やパターン認識、自然言語処理など、様々な技術やアルゴリズムの組み合わせで構成されています。AIの大きな特徴としては学習能力が挙げられ、様々なデータから学習することによって人間と同じように物事を判断したり、推測を行うことが可能です。
AIでできること
・画像認識:カメラなどを通して対象となる物体の種類や特徴を捉える
→性別や年齢の推定、不良品の振り分け、不審者の検出、人の動作など
・音声認識:音声をテキストデータに変換して内容を理解する →電話応対、議事録の作成、字幕生成など
・自然言語処理:人間が日常的に使用している言葉の意味を理解する →質疑応答、文書の要約、文章の作成
・検索 / 探索:データベースや計算能力を駆使して最適解を特定する →交通経路の最適化(ナビゲーション)、商品やサービスのレコメンドなど
・将来予測:過去やリアルタイムのデータ分析に基づいて起こりうる未来を予測する →売上・需要の予測、広告パフォーマンスの予測、商品やサービスのレコメンデーション
パーソナライズした情報発信
発信する情報をパーソナライズするためには、このAIを活用します。映像を記録する一般的なカメラではなくAIを搭載したカメラを使って、ターゲットの年齢や性別といった属性情報を判別しその場にいる人に最適化したコンテンツをデジタルサイネージに配信することで、効果的な情報発信が行えます。
小売店におけるAIカメラの活用
情報発信をパーソナライズする以外にもAIカメラはさまざまな活用を行うことができます。ここでは、小売店での活用事例をみていきましょう。
顧客動線の分析
AIカメラはお客さんがどのように店内を見て回ったか、滞在時間を可視化することができます。これらの情報は、売場配置の最適化や商品棚のレイアウト改善に役立てることが可能です。
購入に至らなかった商品の分析
AIカメラは、実際に購入された商品以外の情報も得ることができます。通常リアル店舗では、お客さんが購入した商品のデータしか得ることができませんでした。
しかし、商品を購入するまでにお客さんは、商品棚の前で立ち止まったり、いろいろな商品と比較検討したり、興味を持ったけど購入を見送った商品があるはずです。AIカメラを使ってこれらの情報を収集・分析することで、効果的な販促プロモーションの実施、陳列場所や商品の発注量を最適化するのに役立ちます。
コンテンツ効果の測定
AIカメラは、店内で配信しているコンテンツの効果測定を行うこともできます。
最近では、商品売場でデジタルサイネージを使って商品販促のコンテンツ配信を実施している店舗が多いですが、そのコンテンツがどれだけのお客さんに視聴されたのか、手に取ってもらえたかを効果測定することが大切です。
AIカメラを活用してこれらの情報を取得・分析することで、マーケティング活動に活かすことが可能です。どのようなコンテンツを配信すると効果があるのか、興味を持たれるのかといったことを明らかにすることができます。
顧客データの活用と注意事項
AIカメラを活用して顧客データを収集する際には、注意しなければいけないことがいくつかあります。顧客データは個人情報となるため、収集方法や収集したデータの取り扱いには注意が必要です。
▼データ取得の際の注意点
・必要な情報を取得した後の画像の破棄
・個人を特定できないようデータを処理する
・個人ではなく、統計情報として数値のみ保存
・HPや店頭でカメラを設置していることを告知する
・告知する際には「目的の明記」「個人特定につながらない旨」「自社のみの利用とし、第三者へ提供しない旨」の明記
総務省が「カメラ画像の活用に関するガイドブック」という情報を公開しているので、内容を確認してからAIカメラを活用することをおすすめします。
カメラ画像利用活用ガイドブック→
こちら AIカメラ「AWL Lite」の紹介
ビスコサイネージでもAIカメラ「AWL Lite」を取り扱っております。
AWL Liteはどんなデジタルサイネージにも取り付け可能で、簡単にデータ分析が行えます。
顧客情報を取得することによってプライバシーの問題が懸念されますが、AWL Liteでは取得するデータは自動的に数値化されて映像が残らないようになっているので、お客様のプライバシーにも配慮できて安心です。データの消去作業も不要です。
AWL Lite(bisco signage)
AWL Liteでできること
・属性分析
デジタルサイネージの前を通った人の年齢や性別(人物属性)を分析することが可能です。
日にち、時間別の顧客層を可視化したり、デジタルサイネージを視聴した人、していない人の判別を行うこともできます。
・視聴率分析
デジタルサイネージに配信しているコンテンツに注目した人を特定し、視聴時間を分析できます。
種類の違うコンテンツを配信してどちらの視聴率が高いかを判別するA/Bテストの実施が可能です。
・最適化した広告の配信
顧客属性に最適化した広告の自動配信が可能です。不特定多数の人に向けて同じ広告を配信するよりも、効果的な販促が行えます。
まとめ
以上、今回はパーソナライズした情報発信の重要性についてご紹介しました。
消費者行動の変化によって、ただ単に同じ内容の情報を不特定多数の人に向けて発信していてもターゲットに届きづらくなっています。これからは、いかにターゲット一人ひとりにパーソナライズした情報を届けられるかが重要になっていくでしょう。AIカメラなどの技術を活用して効果的&効率的に情報発信が行えるようにしていきましょう。