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2022.01.21
コロナ禍で再注目のドライブスルー!最新事例と飲食店が注力する課題
目次
みなさんこんにちは、ビスコサイネージの渡辺です。
新型コロナウイルスの影響によって行動が制限されるなか、車に乗ったまま商品の購入&受け取りができて人との接触を最小限に抑えられるドライブスルーの需要が高まっています。
今回は、ファストフード店が取り組むドライブスルーの事例とドライブスルーに求められる2つのポイントについてご紹介していきます。
コロナウイルス流行によって苦境に立たされた飲食業界
世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスの影響によって、わたしたちの生活は大きく変化しました。コロナウイルスの感染対策としてマスクの着用や3密(密閉、密集、密接)を避けた行動が求められるなど、今まで当たり前に行われてきたことが制限される状況が続くなか、その裏で長い間苦境に立たされたのが飲食業界です。
これはコロナ禍においてウイルスの感染拡大を防ぐために時短営業が要請されたことによる売上低下や不特定多数の人が集まる環境で食事中はマスクを外すといったことが感染リスクを高めるとして消費者の外食控えが広がりお客さん離れが深刻化するなどさまざまな課題に直面したためです。
しかし、このように多くの飲食店が苦戦を強いられるなか、ファストフード業界は順調に売り上げを伸ばしており、それを支えたのがドライブスルーをはじめとしたテイクアウトサービスの存在です。
コロナ禍で増加したテイクアウト需要
コロナ禍によって外出を控え、人との接触を避ける動きが広まるなか、需要が増加したのが「テイクアウトサービス」です。その中でも、車に乗ったまま商品の購入&受け取りが可能で、人との接触を最低限に抑えることができるドライブスルーは再び注目を集めることになりました。
月額定額カーリースを運営する「ナイル株式会社」が普通車を運転している全国の男女1,381人を対象に実施したアンケートによると、「ドライブスルーの利用頻度はコロナウイルス感染症の流行前と比べて増えましたか?」の質問に対して「増えた」と回答した人が66%、利用が増えた理由として「新型コロナウイルスが気になるから」と回答した人が75.1%となっており、密になる状況を避け、できる限り人と接触しない方法としてドライブスルーの利用が増加していることがわかります。
出典:ナイル株式会社
コロナ禍において消費者のニーズに応えるサービスとして、ファストフード業界成功の立役者となった「ドライブスルー」は、コロナウイルスが終息した後も欠かせない存在となっていくことが予想されます。
ドライブスルーサービスへの各社取り組み
こうした需要の高まりを受け、ファストフード店を中心とした各社がドライブスルーに対してさまざまな取り組みを行っています。ここでは、国内におけるドライブスルーの事例をご紹介していきます。
国内事例1:客席なしで持ち帰りに特化したミニドライブスルー店舗の出店を進めるKFC
日本KFCホールディングスグループは客席を持たない“ミニドライブスルー店舗”君津店をオープンさせました。こちらの店舗は、店舗面積・従業員数ともに既存のドライブスルー店舗の7割程度の規模となっておりイートインの客席は設置されていません。
KFCではテイクアウト利用のユーザーが7割となっていること、ドライブスルーや配達代行の利用者も増加していることを受け、このようなドライブスルーやテイクアウトといった販売チャネルに特化した店舗の出店を進めています。
KFCの強みを活かした販売チャネルに集中した小規模店舗にすることで、柔軟な出店が可能となります。
ドライブスルー・テイクアウト・配達代行に特化したKFC君津店 / テイクアウト用レジ
国内事例2:モバイルオーダーした商品をドライブスルーで受け取れるスターバックス
スターバックスは、2020年に試験的に導入していたモバイルオーダーした商品をドライブスルーで受け取れるサービスの提供を全国各地でスタートさせています。このサービスは、事前に専用のアプリまたはWEBから受け取る店舗と注文する商品の選択、車両ナンバーを入力して決済を済ませた後に店舗へ向かい、ドライブスルーレーンのメニューボードの前で受取番号(またはニックネーム)を伝えることで、車から降りずに商品を受け取ることが可能となっています。
スターバックスのこうした取り組みは、多様化するライフスタイルや新たなユーザーニーズに応え、よりスピーディーで利便性の高い購買体験の提供を実現しています。
出典:スターバックス
今後のドライブスルーサービスに期待されること
先に紹介したように、ドライブスルーに対するさまざまな取り組みが行われているなか、各社が共通して注力しているのが「サービススピードの改善」と「利便性の向上」です。これはドライブスルーの需要が高まり、利用者が増えたことでドライブスルー渋滞が発生し、待ち時間が長時間化していることが課題となっているためです。
ドライブスルーでは、いかに商品の注文&受け取りが早くできるかが顧客満足度やリピート率に大きく影響するため、サービス提供のスピードと利便性を向上させ、ユーザーにとってより良いサービスを提供することが求められています。
そして、これらを改善するための鍵を握るのが、従来のドライブスルーにはなかった「モバイルオーダー」や「デジタルメニューボード」といったテクノロジー技術の存在です。
位置情報データを提供する米国のスタートアップ企業の「bluedot社」が18歳以上のアメリカ人1,501人を対象に行った調査によると、「ドライブスルーに求めるもの」として65%の人がモバイルオーダーと回答したという結果が出ており、事前にオーダーした商品をドライブスルーレーンでピックアップしたいというニーズがあることがうかがえます。
また、ドライブスルーをリピートする要因として「注文を確認できるデジタルメニューボードがあること」と40%の人が回答する結果となっており、ドライブスルーにおけるデジタルメニューボードの重要性も明らかになっています。
ドライブスルーに設置されたデジタルメニューボードと注文内容の確認画面(自社撮影)
QSRマガジンが行った調査によると、デジタルメニューボードはドライブスルーでの商品選択をサポートするだけでなく、サービス提供にかかる時間にも大きく影響を与えるという結果が出ています。
こちらがデジタルメニューボードの有無によってドライブスルーサービスにかかった時間を比較した表です。
デジタルメニューボードなし(出典:QSRマガジン)
デジタルメニューボードあり(出典:QSRマガジン)
表を見てもらうと分かるように、デジタルメニューボードを設置することは、オーダー時の利便性を高めるだけでなく、サービス提供のスピードを速めるためにも有効であることがわかります。
オーダー方法や受け取り方法のオプションを増やしたり、デジタルメニューボードを設置するなどして注文環境を整えることが、サービス提供のスピードと利便性を向上させ、ユーザーにとって快適なドライブスルー体験を提供するために重要と言えるでしょう。
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まとめ
以上、今回は再び注目を集めているドライブスルーについてご紹介しました。今後も各社がドライブスルーに対する取り組みを積極的に行っていくなかで、ユーザーに満足してもらうサービスを提供するためには、ドライブスルーにおけるすべてのポイントでユーザーにとって何がベストなのかを考えた機能や最新技術の実装が必要不可欠になっていくでしょう。
これからドライブスルーがどのように進化していくのか楽しみです。
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