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2021.02.05
ウィズコロナ時代、飲食店存続の鍵を握る「DX」
withコロナ時代において、飲食店は今までの営業スタイルでは存続が厳しい状況に置かれています。
飲食店が生き残っていくためには今後どのようなことが必要になってくるのでしょうか。
今回は飲食店存続のカギを握る「DX(デジタルトランスフォーメーション)」について事例を踏まえてご紹介していきます。
変革が求められる飲食業界
新型コロナウイルスの流行により、苦戦を強いられた飲食業界。コロナウイルスの感染防止対策を意識した新しい生活様式がわたしたちの生活に定着し、飲食店に対しても従業員のマスク着用やアルコール消毒など、コロナウイルス対策を意識した営業スタイルが求められるようになりました。「Go to Eatキャンペーン」が実施されるなど、客足回復の兆しが見えたと思った矢先、再び緊急事態宣言が発令されるなど依然として厳しい状況が続いています。
なんとか厳しい環境を耐えている飲食店ですが、今後コロナウイルスが落ち着いてからも今まで通りの営業を続けていてはコロナウイルス流行前と同じレベルの売上状況を取り戻すのは難しいとされており、いま飲食業界は生き残りをかけて変化が求められています。
こうした状況のなかテクノロジー技術によって、業務を効率化し生産性をあげることで飲食業界を救う手段として注目を集めているのが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
DXとは?
経済産業省によるとDXとは、“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位を確立すること”とされています。簡単にいうと、企業がデジタル技術を活用し、アナログベースで行われていた経営をデジタルベースへと変えていくことを指します。
飲食業界はアナログからデジタル化へ
飲食業界では長年、料理の注文や決済方法、予約や売り上げの管理がアナログベースでおこなわれるなど、業務を効率化するためのデジタル化が進んでいない印象がありました。しかし最近では、人手不足の解消やコロナウイルス感染対策としてモバイルオーダーやキャッシュレス決済サービスなど、デジタル技術の導入が広がりを見せています。
こうしたテクノロジー技術をベースにしたサービス提供をおこなっていくことで、店舗における業務の効率化だけではなく、提供するサービスの可能性を広げ、顧客体験の向上を実現することができるようになります。
飲食店におけるDXの取り組み事例
事例:Eggs’n Things Coffeeが実現するDX
Eggs’n Things(エッグスンシングス)はwithコロナ時代の飲食業界におけるDXの取り組みとしてお客さん一人ひとりに価値を提供することを目的とした4つのサービスからなる「CAS(Customer Along Service)」構想を発表しました。この構想は、単に効率化を目指しただけではなく、顧客に寄り添ったサービス提供を目指すための取り組みとなっています。
1:事前注文システム
専用のウェブサイトから商品がオーダーできるサービスです。このサービスは事前に商品の引き取り時間の指定・注文・決済を完了させて店舗でテイクアウトができるようになっています。
ユーザーはレジに並ばず商品を受け取ることができ、店舗側は調理タイミングが把握できるので、店舗業務を円滑にし、忙しい時間帯には注文制限をかけるといった調整が可能になります。
注文ページイメージ
2:テーブルオーダーシステム
Eggs’n Thingsの店舗に入店後、テーブル上に設置されたQRコードを読み取ってオンライン上で注文&決済ができるサービスです。
このサービスは、お店側がどのテーブルからオーダーされたかを把握することができるので、スタッフとお客さんとの接触を料理提供のタイミングだけに省くことができます。
接触する機会を減らすことでコロナウイルス対策にもつながり、店舗の省人化や座席の回転率を向上させることも期待されます。
座席に設置されたQRコードイメージ
3:カスタマートラッキングシステム
レジでオーダーをしたお客さんにトラッキング機能付きの小型タグを渡すことで、お客さんがどこの席に座っているかを店舗側が追跡することができます。
このトラッキングシステムを使用することで、スタッフはどの席にお客さんが座っているかを把握することができるので、お客さんはブザーで呼ばれたり、自分で番号を照合して商品を取りに行く必要がありません。
また、どのお客さんがどれくらいの時間待っているかといった情報や動線データを蓄積することができます。
左:トラッキング機能付き小型タグ 右:トラッキング管理画面
4:AIアバターレジ
来店したお客さんが店員の代わりにAIアバターと会話をして料理の注文&決済がおこなえる完全非接触型のシステムとなっています。
このシステムでは対話エンジンを搭載しており、お客さんがシナリオ通りに発言をしなくてもAIアバターは会話の内容を理解して応答し、注文に至るまでの対応を会話のみで誘導することができます。
AIアバター接客イメージ
●まとめ
今回は飲食業界が存続していくための手段として「DX」についてご紹介しました。しかし、テクノロジー技術を店舗運営に取り入れてすべての業務をデジタル化すればいいというわけではありません。
飲食店の店舗におけるスタッフとお客さんのコミュニケーションは大切です。
そのため、業務の効率化のみに焦点を当ててデジタル技術を取り入れるのではなく、機械が担当することと人が担当することをわけることが大切です。
肉体労働や単純作業など効率化した方がいいところをデジタル技術にサポートしてもらうことで、店舗スタッフは付加価値が必要なサービス面により注力することができ、飲食店における顧客体験がより楽しいものになっていくでしょう。
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