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2021.01.15

飲食業界が狙うべきは「ハレの日」需要。テーブルチェックが予測した2021年の飲食業界の動向とは?

飲食店イメージ 新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受けた飲食業界。一度落ち着きを見せたと思いきや感染者の増加により、いまだ先行きが見えない状況が続いています。
そんな中、飲食店向けの予約・顧客管理システムと、ユーザー向けに飲食店検索・予約ができるサイトを展開している株式会社テーブルチェックが、2020年の飲食業界の振り返りと2021年の業界動向を予測しました。
今回はその調査結果をご紹介していきます。


国や自治体の対応策が飲食店の客足に影響している

まずは2020年における飲食店1店舗当たりの平均来店人数を見ていきましょう。
下の表を見てもらうと分かるように、4月16日に緊急事態宣言が発令されると前年同月と比べて10.7%まで客足が落ち込みました。
しかし5月25日に宣言が解除された後は徐々に客足が回復しています。
10月から開始した「Go to Eat」の影響もあり10月、11月は前年同月比70%台まで戻りましたが、第3波の到来による時短営業要請の影響により、12月13日の時点では前年同月比56.3%まで減少してしまっています。

前年同月比1店舗当たりの平均来店人数グラフ
さらに週別で来店件数をみてみると、消費者行動の変化が見えてきます。
3月から4月にかけて新規陽性者数が増えたため来店客数は一気に減少していますが、第2波以降も自粛疲れや時短営業要請が緩和された影響もあり、消費者の心に“慣れ”が生じ横ばいだった来店件数が増加していったことがわかります。
しかし、11月28日に東京都が時短営業を要請したあとには再び来店件数が減少しています。
こうしたことから、テーブルチェックは消費者心理(来店件数)に影響を及ぼすのは、新規陽性者数ではなく政府や自治体の対策であると推測しています。
そのため今後も飲食店は、政府や自治体の動向に注意していく必要があると言えそうです。

来店件数週平均と新規陽性者数の推移グラフ

ビジネス利用は減少するも、「ハレの日」需要で贅沢思考が高まる

2019年と2020年の利用目的別の割合を比較すると、「社内会食 72.5%」「接待 70.1%」「歓送迎会 69.7%」「忘年会 60.9%」というように、ビジネスに関係する利用が軒並み減少しており、リモートワークの推進や外出自粛が来店件数に影響していると考えられます。

反対に、前年に比べて増加傾向になったのが“ハレの日”の利用です。
2019年と比較してみると最も増加したのが「記念日」で前年比116.3%となりました。
その他「デート 114.2%」「家族会食 107.9%」というようにプライベートでの利用が増えており、外出自粛ムードにおいては“ハレの日”に外食を楽しむ傾向があるようです。

これはビジネスに関連した会食や宴会の機会が減ったことで、制限された「外食欲」がプライベートに集中したと考えられます。
20201年も外出自粛やリモートワークが続き外食の機会が減る一方で、プライベートにおける外食需要は高まるとみられ、「ハレの日」の特別な食事は贅沢に楽しみたいというニーズに対応した戦略が必要となりそうです。

利用目的別来店件数に占める比率平均グラフ
前年同月比 利用目的別 来店件数に占める割合

平日の客足回復ならず、休日の客足は徐々に回復

次に3月~11月までの曜日別の平均来店件数のデータを前年度と比較すると、最も客足が回復したのが、「土曜日 82.3%」で、次に「日曜日 79.2%」という結果となっています。

前年同期比 1店舗当たりの平均来店件数比較
一方、リモートワークの推進によりランチや接待、会食といった目的での利用が減っているため、平日はどの曜日も前年比の7割程度の来店率にとどまっています。
なかでも水曜日の客足の回復が最も遅れており、土曜日は「Go to Eat」キャンペーンが始まった10月に前年を上回る結果となりましたが、水曜日は一度も前年の来店件数を超えることなく低い水準で推移を続けています。
コロナウイルスの影響により社会に浸透したリモートワークなどの新しい働き方は今後も続くことが予想されるため、飲食店は週末や祝祭日をターゲットに、いかに利用者を獲得できるかが大切になっていきそうです。

水曜日/土曜日比較

「Go to Eat」でランチ利用回復するも、ディナー利用は厳しい状況が続く

飲食店の時間帯別来店実績を前年同月と比較してみると、ディナーに比べランチの回復率が目立っていることが分かりました。
新型コロナウイルスの流行後、ランチとディナーの来店人数はどちらも前年を下回っていますが、「Go to Eat」キャンペーンがスタートした10月のランチ来店件数は、前年同月比103.1%、11月は101.4%となっており、ランチのみ前年の実績を超える結果となりました。

一方、ディナーの来店件数は「Go to Eat」キャンペーンがスタートした後も前年の実績を一度も超えることはなく、ランチの時間帯よりも影響が大きいことがわかります。
また、ディナーはランチに比べてキャンセル率が平均3.1%高くなっているそうで、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2月以降、夜の街での感染リスクに対する懸念が広がりを見せたことが原因と考えられます。
テーブルチェックは、利益率の高いアルコールの提供数が増えるディナーの時間帯は、飲食店にとって重要な時間帯となるため、回転率アップや客単価をあげるための策が必要と分析しています。

ランチ/ディナーの来店件数比較

コロナ渦で飲食店を支える「常連客」

来店件数における常連比率からは、コロナ渦において飲食店を支えているのは「常連客」ということが明らかになりました。
緊急事態宣言が発令された2020年4月~5月では、来店5回以上の「常連客」の比率が2019年と比較して、4月で1.6倍、5月では1.5倍になっています。

来店回数が2~4回の「常連予備軍」の割合も増えており、緊急事態宣言が出されて以降、リピーターが飲食店を支えていることがわかります。
これはコロナウイルスの影響により、外食をする機会そのものが減少しているなかで、利用する飲食店の選定が今まで以上にシビアになっているといった現状があり、外食をするという貴重な機会をいつも利用している飲食店で過ごしたいという消費者心理が働いた結果と言えるかもしれません。
さらに、テーブルチェックのシステムを利用しているお店を対象にした調査においても、「以前から常連客の比率が高い飲食店では、コロナ渦でも回復が比較的早く、予約も先々まで埋まっている店舗も見受けられる。」という結果が出ているそうです。

来店件数に占める常連比率
また1店舗当たりの来店件数を月別に比較した図では、「常連客」の客足が「常連予備軍」や「新規顧客」に比べて早い段階で戻っている様子も明らかになりました。
テーブルチェックはこうした結果を踏まえ、2021年の飲食店には、「リピーターの獲得・拡充」がより一層重要になってくると分析しています。

常連区分別1店舗当たりの来店件数比較

まとめ

2020年から浸透し始めた「リモートワーク」「外出自粛」「外食自粛」といった「新しいライフスタイル」は、コロナウイルスがいまだ落ち着きを見せないため2021年も続いていくと予想されています。
リモートワークが浸透したことにより、仕事関連の接待や会食、ランチといった外食需要が減った反面、自宅で楽しめる出前やテイクアウト、住宅街での外食需要は増えています。
今回テーブルチェックが行った調査結果を踏まえ、コロナ時代に強い店舗づくりをおこなうためには、「ブランディング力」「情報発信力」「リピーターの獲得」がさらに大切になっていくでしょう。
最近では、SNSを使い無料で簡単かつダイレクトに消費者へと情報発信が行えるようになっています。
今回ご紹介した2021年の飲食業界の予測を参考にしつつ、消費者とつながりを持つことができるSNSを活用して、ブランディングの確立やリピーターの獲得に努めましょう。

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