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2022.02.18
コロナ禍開催の北京五輪で新しい食事体験を提供する「スマート食堂」
目次
みなさんこんにちは、ビスコサイネージの渡辺です。
2月4日にいよいよ開幕した北京冬季オリンピック。競技の結果ももちろん気になるところですが、コロナ禍で行われる今大会の開催前から世界中のメディアで話題となっているのが、調理から配膳までロボットによって全自動で行われている「スマート食堂」です。
今回の記事では、そんなスマート食堂を中心に北京オリンピックを支えているロボットたちの活躍をご紹介していきます。
北京オリンピックで話題の「スマート食堂」
北京オリンピックでは、新型コロナウイルスの感染対策として人の代わりに、掃除や消毒などのあらゆる作業をロボットが担うなど、そのハイテクさが話題となっていますが、中でも一番多くのロボットが稼働しているのが24時間サービスの提供が行われている「スマート食堂」です。このスマート食堂は、報道関係者の取材拠点となるメインメディアセンター(MMC)の地下にあり、約千人が同時に利用できるほどの規模を誇っているそうです。
多種多様な料理を全て自動で作る調理ロボット
スマート食堂では、伝統的な中華料理だけでなく、パスタやステーキなどの西洋料理、ハンバーガーやポテトなどのファストフードなどさまざまな種類の料理が提供されているそうです。お客さんがレジで料理の注文を済ませ座席番号を取得すると、壁一面ガラス張りの機械式キッチンでロボットが調理を始めます。
揚げ物、焼き物、炒め物など調理工程によってそれぞれ担当のロボットが分かれています。
揚げ物担当のロボットは、オーダーが入ると料理に必要な各種食材を自動で識別し、冷蔵庫から取り出して調理場まで運びます。
その後調理を開始し、容器に盛り付けるところまでを全自動で行います。
使用する食材ごとの最適な油の温度や調理時間の調整も全部自動でコントロールすることが可能です。
出典:人民網
ご飯ものを担当する土鍋調理ロボットは、36個のコンロを同時に管理することが可能です。
ちょうどいい火加減を保ちながら、途中で油や調味料を注ぐといった作業もしっかりとこなし、本格的な土鍋ご飯を全自動で作り上げてくれます。
中華料理で定番の炒め物の調理もお手の物です。食材の投入や炒める動作、油や水を注ぐ作業だけでなく、盛り付けや鍋の洗浄まで全自動化を実現しています。
出典:人民網
UFOキャッチャーのように天井から料理を届ける配膳ロボット
料理が完成したら配膳ロボットの出番です。天井を見上げると天井に張り巡らされた透明のレールを縦横無尽に行き来している配膳ロボットを目にすることができます。配膳ロボットは最短ルートで移動し、お客さんのいるテーブルまでたどり着くとクレーンゲームのように上からお盆を降ろして料理を手元まで届けてくれます。
この配膳ロボットを活用することで、出来上がった料理をお客さんが受け取りに行ったり、スタッフが料理を運ぶ必要がなくなり、人との接触を減らした効率的な配膳が実現されています。
本格的なカクテルを提供するバーテンダーロボット
夕方からは食堂に隣接するスペースで本格的なカクテルを作ってくれるバーテンダーロボットも稼働し始め、ノンアルコールドリンク、アルコールドリンクを問わず十数種類のドリンクを作ってもらうことが可能です。携帯電話でコードをスキャンしてドリンクをオーダーすると、バーテンダーロボットが天井に吊るされたジンやウォッカなどの材料を容器に入れ、白のアームを使って上下左右ダイナミックにシェイカーを振り始めます。カクテルはわずか90秒たらずで完成し、できあがったものをグラスに注いでくれます。
最後にフルーツを添える作業は人が行うようですが、リズミカルにカクテルを作ってくれるバーテンダーロボットはエンターテイメント性抜群ですね。
This robot bartender at the Beijing Winter Games makes drinks at Olympic speed. It can mix and serves a cocktail in 90 seconds pic.twitter.com/Ahifj6aU2w
— South China Morning Post (@SCMPNews) January 25, 2022
出典:South China Morning Post
カクテルグラスのように割れやすいガラスのコップは繊細な作業が必要ですが、問題なく取扱いができているので安心して見ていられますね。
食堂以外で活躍するロボットたち
上段では食堂で調理や配膳を行うロボットを紹介しましたが、北京オリンピックではその他にもたくさんのロボットが活躍しています。香り高いコーヒーを提供するバリスタロボット
スキージャンプなどの雪上競技が行われる会場近くの駅では、バリスタロボットが入れた無料のコーヒーを楽しむもことができます。人間の手のような2本のアームを待つバリスタロボットは、挽いたコーヒー豆をフィルターにセットし、器用にドリッパーを回して粉を平らにします。その後、しっかり円を描くようにお湯を注ぎ入れコーヒーが完成です。
このバリスタロボットは視覚認識機能を搭載した6軸のダブルアーム構造を採用していて、熱々のコーヒーを3分で提供できるほか、3投式のドリップを行うことが可能だそうです。コーヒーを淹れ終わった後の掃除もしっかりと行います。
まるで本物のバリスタのように細かい動きにも対応していて驚きです。
ホテルのルームサービスを届けるロボット
北京オリンピック公式ホテルのルームサービスでは、ルームサービスロボットが活躍しているそうです。ルームサービスを頼むと人ではなくロボットが部屋の前まで来てくれるので、ロボットのディスプレイにピンコードを入力するとロボット本体の扉が開き、注文した商品を取り出すことが可能だそうです。
無事配達を終えたロボットは元来た道のりを自走して帰っていきます。
A Beijing hotel is using room service robots as the Winter Olympics approaches. Robots arrive at the guest's door, the guest types a pin code into the robot and the robot opens to reveal the food. Once the guest has taken the food out the robot closes and moves off pic.twitter.com/NRbDCvhQBg
— Reuters (@Reuters) January 27, 2022
出典:Reuters
ちゃんと帰れるかな?と後姿をついつい追ってしまいますが、迷わずしっかりと帰っていく姿がなんとも頼もしいですね。
まとめ
以上、今回は話題となっている「スマート食堂」を中心に北京オリンピックの運営で活躍しているロボットたちについてご紹介しました。北京オリンピックでは、新型コロナウイルスの感染対策として食堂だけでなく、会場の掃除や消毒といった作業もロボットが担っています。
少し前までは、近未来的なイメージが強かったロボットの存在ですが、今回ご紹介した事例のようにロボットと共存した暮らしはもう当たり前の物になりつつあるのかもしれません。
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