BLOGブログ

2020.08.21

意外と知らない有機ELと液晶ディスプレイの違いを徹底解説

みなさんこんにちは、ビスコサイネージの渡辺です。
ディスプレイのタイプとしてよく聞く「有機EL」と「液晶」という言葉。名称は聞いたことがあってもそれぞれがどう違うのか知らないという方も多いのではないでしょうか。でも、せっかくなら使用用途にあったディスプレイをしっかり選びたいですよね。今回は有機ELと液晶の違いやデジタルサイネージとして利用する際に考慮しなければいけないポイントについて説明していきます。

●有機ELと液晶ディスプレイの原理について

液晶と有機ELを比べる際に、まず理解しておかなければいけないのが、有機ELは自ら発光するけれど、液晶は自ら発光しないという点です。このポイントを頭にいれてそれぞれどのような仕組みなのかを見ていきましょう。

・液晶の仕組み

液晶分子は細長い形をしていて、電圧をかけると電圧方向にまっすぐに並ぶという性質があり、その特性を利用したのが液晶ディスプレイです。最初にお話しした通り、液晶自体は発光しないので、バックライトを設置して後ろから照らす必要があります。バックライトから放たれた光は偏光板で一定の振動方向にそろえられます。その光が液晶を通過しようとする際に、液晶に電圧をかけたりやめたりして液晶の向きを変え、光を通したり遮断したりのコントロールが行われます。電圧をかけない状態で液晶が偏光板の方向に対して垂直の向きで並ぶと光は遮断され、人の目には「黒」と映ります。一方で液晶に電圧をかけて液晶の向きを偏光板と同じ向きにすると光はそのまま通過し、人の目には「白」と映ります。また電圧の強さを変えることで光の量も調整できます。
簡単に言うと、液晶はシャッターのような役割で通す光の量を調整して、その液晶の動きを調整しているのが電圧です。
液晶のしくみ図

・有機ELの仕組み

有機ELは自ら発光するというのが大きな特徴です。有機ELとは、有機物に電圧をかけると発光する現象のことをいいます。日本ではこの現象を利用した製品一般を有機ELと呼んでいますが、世界ではOLED(Organic Light Emitting Diode)と呼ばれています。
有機物によって発光する色は決まっており、素材を選んで電圧をかけ、三原色(RGB)を表現することでディスプレイになります。
有機ELのしくみ図

●特徴を比較

それでは次にデジタルサイネージ用のディスプレイを選ぶ際に比較したほうがいいポイントをもとにそれぞれの特徴を見ていきましょう。
有機ELと液晶の特徴比較表

●有機ELと液晶の違いについて

▼有機EL
〇バックライトが不要なのでディスプレイは薄く、曲げられる
〇発光した有機物の色をそのまま届けるので漆黒が表現できる
〇有機ELは発光するかしないかなので画面の応答が早い
〇有機ELは自発光する仕組みのためベゼルの幅が狭い(狭くできる)

×液晶と比べると輝度が低いので屋外だと画面が見えづらい
×静止画を長時間流すと焼き付けが起こる
×デジタルサイネージ利用の場合、消費電力が液晶より高くなる
×有機ELのデジタルサイネージはディスプレイサイズが55inch以上しかないので、43inchのメニューボードなどにはサイズが合わない
×本体サイズがとても大きいので設置する場所を確保する必要がある

⇒応答性に強みのある有機ELは、動画を流す場合やタッチパネルなどへの利用がおすすめです。またベゼルの幅が狭いのでディスプレイ同士を複数つなげて活用したいときにも向いています。(しかしベゼルの幅が狭いディスプレイを複数つなげるマルチビジョンはディスプレイ同士をずれなく、きれいにつなぎ合わせる緻密な作業を伴います。そのため有機ELや液晶にかかわらず施工が大変です。)
反対に、長時間静止画を流すと画面の焼き付きを起こしてしまうためメニューボードなどへの利用や屋外への設置には向いていないといえます。


▼液晶
〇最大輝度が高いので屋外でも画面が明るくて見やすい
〇静止画を長時間流しても焼き付けが起こりにくくディスプレイの寿命が長い
〇デジタルサイネージ利用の場合、消費電力が有機ELより低い
〇有機ELより小さいサイズのディスプレイもあるので、メニューボードなどにも利用可能

×バックライトがあるので有機ELより製品が厚くなる
×バックライトの光を液晶で遮って黒を表現するので少し白味がかった黒になる
×液晶は配列を変えることで光をコントロールするため有機ELに比べ画面の応答時間が遅くなる
×液晶の構造上、有機ELと比べベゼルの幅は広くなる

⇒液晶ディスプレイは、長時間静止画を流しても画面の焼き付きが起きないという強みがあるので、メニューボードなど長時間静止画を流す場合におすすめです。また最大輝度が高く屋外の明るい場所でもコンテンツが見やすいので屋外へ設置する場合も向いています。
反対に、タッチパネルなどの素早い反応が求められる場合には有機ELディスプレイのほうが向いていると言えます。

●まとめ

有機ELと液晶はそれぞれ違う特徴があることがお分かりいただけましたでしょうか。
デジタルサイネージの活用シーンや用途に合わせてディスプレイの種類を選ぶことでより効果的にデジタルサイネージを活用していただけると思います。
テレビやスマートフォンとは違い、デジタルサイネージに活用するとなると不明な点も多いと思いますので、デジタルサイネージ導入をご検討の方、少し気になっている方はお気軽にご相談ください。